亜州電視


亜州電視(亞洲電視有限公司)は中国香港の民間テレビ局である。略号はATVAsia Television Limited)。

1957年麗的映声(Rediffusion(Hong Kong)Limited,=RTV)として放送を開始し、その後幾度かの変遷を経て1982年に現在の名前となった。


目次

現況

香港最初のテレビ局ではあるが、視聴率では後発のTVBに大きく差をつけられている。これは、ATVの当初の放送形態が有料による有線放送形式であったのに対し、TVBがケーブルを必要としないアンテナによる受信形態かつ無料放送であり、視聴に際して特別な契約な不要だった事や、TVBの親会社が映画会社のショウ・ブラザーズで、有名俳優が多数出演出来た事などの要因がある。また、香港の中国への返還前より、ニュースなどの報道内容が中国寄りとなりつつあり、視聴者からの不興を買っているとも言われている。

近年は極度の経営不振に陥っており、世界的な不況の影響で広告収入が減少している事もあって、制作費の削減を目的として、自社制作ドラマやバラエティ番組の制作凍結や、社員削減を実施した。人員削減の影響は製作部門に大きな影響を与え、結果として番組の質的低下と、更なる視聴者離れを招く結果となった。2009年の旧正月前夜には、通常では特別番組が放送されるものの、制作費不足の為に中国中央電視台が放送する特別番組をそのまま放送するなど、中国本土のCCTVなどから購入した番組も多く、視聴者からは、CCTV-10台(中国中央電視台の第10チャンネルの意味)と揶揄されている。

現在の1日あたりの平均視聴者数では、TVBの200万前後に対して20万弱と、大きく引き離されており、ケーブルテレビ局の有線電視よりも少ない状況である。

経営建て直しの為、2008年12月には、香港の運送会社の経営者を招くなどして経営陣を一新し、外部資本の導入による経営改善を目指したが、数日後には経営陣の一部が辞職声明を発表した事で混乱を生じ、結局新たに就任したCEOが辞任し、一旦辞職声明した経営陣は留任する事で決着した。これは、新たに招いた経営陣が、ATVの中国寄りの報道姿勢を批判し、香港独自の視野での報道を目指すと宣言した事が、親中派オーナーの反感を買った為とされている。

2009年1月には、香港や中国にも進出している台湾の製菓会社で、近年台湾のメディアの経営権を獲得している旺旺グループが、株式の購入で資本参加する事を表明し、喫緊の課題であった資金不足の解消が図られる事になった。番組内容も、同グループの中天電視台の番組が放送されるなど、変化が現れている。

歴史

亞洲電視の前身である麗的映聲(RTV)は、宗主国イギリスの会社である民間ラジオ局麗的呼聲が、香港初のテレビ放送局として1957年5月29日に開局した。当初のチャンネル数は広東語で放送する1チャンネルのみであった。

放送方式は、有線放送による有料放送方式を採用し、ケーブルによって各家庭に配信していた。視聴料は毎月25香港ドルで、放送開始時の契約者数は僅か640であったが、のち約10万まで増加している。1966年には自前の俳優養成学校も設立し、順調に発展していった。

大きな転機を迎えるのは、1967年11月19日に開局した無線電視(TVB)の出現である。TVBは、その名の通り無線方式による無料放送を採用したが、無料な上に、アンテナ以外に特別な設備なく視聴可能な事、さらに放送開始時点でカラー放送(一部番組のみ)を行った事から、放送開始より視聴者の人気を集める事になった。それに対してRTVは、有料放送でしかも白黒方式のままの放送であった為、契約視聴者は激減した。この為、大幅な放送内容の見直しを行い、バラエティ番組の増加や、競馬中継を中心とした競馬関係の番組を放送するなどした結果、1969年には視聴契約は10万を越えるに至った。

しかし、有線方式の有料放送ではTVBに対抗できないのは明白であり、また白黒放送のままであった事や、1975年には3局目の民間放送局が開局する事も決まり、会社側では放送方式を無線方式の無料放送への変更を決定した。しかし、設備交換を短時間で終える事は困難な事から、1ヶ月間放送停止して、その間にカラー放送への切り替え等の設備更新を行った。またこの時、局名を麗的電視に変更し、英語専門のチャンネルを新設した。

しかしこの1ヶ月は、それまで視聴契約していた視聴者の目をTVBに向けさせるのに充分な期間であった。TVBの番組を見るようになった視聴者は、RTVが放送再開しても戻ってこなかった。1975年に第3の放送局である佳藝電視(CTV)が開局すると、麗的電視は視聴率では3番目が定位置となった。

1978年、その佳藝電視が経営不振により倒産すると、同局のスタッフや所属俳優の多くは麗的電視に移籍してきた。この結果、番組内容の充実が図られ、番組によっては、TVBよりも良い視聴率を記録したが、TVBがそれまで放送していた番組を打ち切って新たな番組を放送するに至り、再び視聴率が低下していった。

1980年代になり、麗的電視の経営状況は悪化しつつあった。1981年3月には、麗的電視の親会社である英国の会社の経営も悪化した為、麗的電視の経営から手を引く事を決定し、一旦オーストラリアの企業に売却されたが、翌年(1982年)には地元香港の企業に再売却され、放送局名も現在の「亞洲電視(ATV)」に変更された。1987年には局舎が火事に見舞われ、放送機器が損傷して放送に支障を生じるという事件も発生した。1989年には親会社が再度変更された。

1990年代に入り、一時的にTVBの視聴率を上回る番組も出現したが、それ以外の番組では相変わらずであり、経営状況の悪化で、経費削減の為に自局作成のドラマは減少し、長期低迷状態が続く事となった。

その後は、次々と経営者が変わり、その都度様々なてこ入れが行われているものの、効果は上がらず、経営不振は続いている。また、大量の人員整理も続いており、番組制作能力の低下が問題視されている。

最近、台湾企業の経営者が経営に参加、同氏がオーナーを務める台湾の放送局を放送し始めているが、今の所は効果を挙げているとは言い難い状況である。

そのほか

  • 現地調査によれば。現在のいわゆるゴールデンアワーの平均視聴率は、TVBが120-300万、地元のケーブルテレビ局「有線電視」の視聴率が50-60万なのに対し、ATVの視聴率は15-27万程度と言う結果が出ている。
  • NHK衛星第一テレビジョンのワールドニュースでは香港のニュースとして亜州電視の英語ニュース(Main News)が流されている。
  • 以前は香港在住の日本人向けに中国語字幕付きで日本のドラマを放送する時間帯があった。『渡る世間は鬼ばかり』などが放送されたが、今では二ヶ国語放送の導入によって、時間帯を限る事なく放送されている。また、香港の番組制作会社による日本語情報番組(広東語・英語の字幕つき)が放送されている[1]が、TVBを含めて、現在では唯一の日本語放送番組である。
  • 1997年からの数年間を除き、長年にわたって香港競馬を中継している。また、一時期、マカオで開催されている競馬を中継した事もあった。なお、ジャッキー・チェンの映画など(『プロジェクトA2』の警察署長役)などで出演していた俳優の董驃(トン・ピョウ)は亜州電視競馬中継の解説者であった。
  • ニュースの内容については中国政府(中国共産党)寄りの編集姿勢が見受けられる。例を挙げると、中国政府批判のデモがあった時などはTVBが取り上げる機会が多いのに対し、簡単に触れるだけで終わる場合が多い。また、最近開始された地上波デジタル放送ではCCTVの番組をそのまま流すチャンネルも存在するなど中国寄りの姿勢が強いチャンネル構成となっている。

チャンネル


年表

主な番組

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