芸能事務所(げいのうじむしょ)は、芸能人が芸能活動を円滑に進めるための支援を受け持つ企業のこと。音楽プロダクション、芸能プロダクション、俗にタレント事務所ともいう。レコード会社として、演歌を中心に専属の歌手や作曲家を擁しているところもある。
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タレントや歌手とプロデュース契約、マネジメント契約を結ぶことにより、プロフィールやカタログの作成、育成指導、スケジュール管理、営業活動、ギャラの交渉・請求、トラブル処理といった業務を行う。
日本においては、法律的には芸能人に特化した有料職業紹介事業所というもので、労働局の許認可事業に該当する。
事務所やタレントの格などにもよるが、タレントや歌手が事務所とマネジメント契約を締結するにあたって、そこで交わされる内容は非常に多岐に渡る。
契約の内容は、基本的にこの様なタレントとしての「業務」に関する事項が中心となるが、他にもタレントとしての全般を管理する様々な項目が存在している。また、若手や子役に対してはタレントとしての育成についても契約に含まれる。
また、芸能タレントはイメージが重要な商売である事から、上述の様な芸能タレントとしての業務に関する各種内容以外でも、
この様なプライベートや私生活にも関わること細かな事柄についてまで、詳細に指定や約束事を契約で交わしている事も見られる。
諸外国においては、日本の様な芸能事務所的なものとは異なり、エージェントとの契約という形態が多く見られる。その契約条項については、私生活の事細かなことまで契約で指定されている事は、ある程度の格として扱われるならばむしろ当然の事であり
一部にはこの様な事柄について指定する契約もあるという。
音楽業界と映像演劇業界ではその成立の流れが異なるが、前者でいえば太平洋戦争後の在日アメリカ軍の存在が、後者は新派や興行会社ではなくテレビ業界草創期の劣悪環境で働かされた、当時はアテ師と呼ばれた声優の存在がその誕生に大きな役割を果たしたとされる。アメリカ軍は軍隊であると同時にアメリカ文化発信の先遣隊としての役割も果たしており、その影響下に日本やドイツなど敗戦国の芸能文化は侵略されることになる。
日本の芸能は神事と結びついたのが始まりである。この内、権力側の庇護を受けて興行権を確立したのが文楽であり、歌舞伎であり、能である。近代になって興行権を確立できなかった地下(じげ)のもので小資本の劇場主が演目を専門化したのが、関西の吉本興業のような存在である。ちなみに劇場に出られない役者や歌手は地方での公演で興行主やヤクザの世話になったとされる。
日本にはあらゆる業種や階層に縄張りがあり関西地方の群小の興行主へ既得権を手放す代わりに利益を生むように説得していった一人に山口組の田岡一雄がいるとされる。田岡は差別に対しての反骨心からゲテモノと呼ばれていた美空ひばりへ肩入れしていくことになる。また母親と衝突するまで美空を可愛がった反骨人の竹中労は差別されていたはずの芸能事務所がやがて特権階級化することにも牙をむく。
アメリカ軍に話を戻すと、基地へ慰問する楽団や歌手に対して、軍は実力に従い評価を出してギャラや待遇に格差をつけた。機会は公平に与え、実力によりチャンスをものにする姿勢は門閥主義の日本の伝統には無かったものである。草創期の芸能事務所の社長の多くはジャズバンド出身者であり、このアメリカ流の実力主義に感化された野心家たちでもあった。最盛期には一説に8,000人もいたバンドでも実力派の引き抜き合戦が行われたとされるが、彼らは互いに協定を結びつけていく。これが出発点である。
東京の良家の子弟がジャズメンに多かったことが、また信用を得てコネを作るのに役立っていく。アメリカ軍の占領期間が終わった後も彼らの活動はジャズ喫茶や、大劇場の日劇においてロカビリーやグループサウンズに結実していく。運動の指導者たちは音楽畑の人の比率が高かった上に、徒弟制度的な「師が弟子を育てて一本立ちさせる」に似た、厳しいが家族的な形態が主流であった。
芸能人の全体数が増加して行く中で、徐々にテレビ局や各種メディア業との連携、あるいは独自での企画・運営によるイベント主催、新人発掘、劇団経営など様々な関連事業が追加され、さらにバブル期には異業種への展開など多角経営化が進んでゆく。
1950年代、ジャズミュージシャンだった渡辺晋が芸能産業の近代化と、虚業・河原乞食などと揶揄されていた芸能人の待遇改善と地位向上を目的として、夫人の美佐、松下治夫とともに渡辺プロダクションを創設し、これが現代型の芸能事務所の起源であるとされる。
多方面からの人材流入を受けた近年は、いわゆる文化人やアスリートのメディア出演や公演活動時のマネジメントといった業務、他にはアナウンサーやリポーター、司会専門を育てるというように多様化・マルチ化が進む。ただし、この業界は事務所の規模も大小様々である上、独立・移籍など人々の流動が激しい事から、詳細な実態は把みづらい面もある。
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