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東京市(とうきょうし)は、旧東京府東部に1889年(明治22年)から1943年(昭和18年)までの間に存在していた市である。市域は現在の東京都区部(東京23区)に相当する。
東京市が存在していた時期以外の旧東京市地域の歴史については東京都を参照のこと。旧東京市地域の現状については東京都区部を参照のこと。
目次 |
「東京都」も参照
1878年(明治11年)7月、東京府は府下を区と郡に分かち、府税収入の多い地域を吟味選定のうえ、郡区町村編制法第2条の定めるところに従って旧幕時代の地称を付し、麹町区・神田区・浅草区以下の東京15区を設けた。同時に市街地に隣接する旧街道宿場および農村部に荏原郡・東多摩郡・南豊島郡・北豊島郡・南足立郡・南葛飾郡の6郡を置いた。
1888年(明治21年)東京市区改正条例公布。政府の機関として東京市区改正委員会(委員長・芳川顕正元東京府知事)が置かれる。
1889年(明治22年)5月1日、前月施行の「市制・町村制」に基づき、東京府は府下に東京市を設け、旧15区の区域をもって市域となして、区部の財産管理を移掌した。東京市の市制は、同3月公布法律12号「市制中東京市京都市大阪市二特例ヲ設クルノ件」(市制特例)によって、一般市とは一部異なる変則的な市制だった。東京府知事および府書記官が市長を兼務しており、市役所も市職員も置かれなかった。その一方で従来の15区はそれぞれ単独で区会(議会)を持ち、東京市の下位の自治体とされた。
1894年(明治27年)麹町区有楽町にドイツ・ルネサンス様式の鉄骨レンガ造2階建の東京市役所が完成する。同地は現在の千代田区丸の内三丁目にあたる。このときの建物は戦災で焼失し、戦後に新庁舎に建て替えられ、現在はさらに東京国際フォーラムに建て替えられている。
1898年(明治31年)10月1日、東京・大阪両市有志同盟の請願が結実し、「市制特例撤廃法」が成立、東京市に一般市制が施行され、東京府庁内に市役所が開かれた。府知事の市長兼務は廃止され、東京市長は官選となり、初代市長には松田秀雄が任命された。1926年(大正15年)からは市議の互選により市長が選出されるようになった(詳細は「東京都知事一覧」を参照)。
大正期に入ると、東京市への人口流入は更に進み、1920年(大正9年)の人口は370万人になった。また、大正年間に入る頃から、大東京という表現が見られるようになった。多くの場合それは、従来の東京市(15区)と隣接5郡82町村(荏原郡・豊多摩郡・北豊島郡・南足立郡・南葛飾郡の各全域)に、しばしば北多摩郡砧村・千歳村を加えた地域を指していた。これは現在の東京都区部(東京23区)の区域に相当する。1922年(大正11年)4月には旧都市計画法に基づき、東京市と上記6郡84町村が「東京都市計画区域」として定められた。
1923年(大正12年)9月1日、東京市は関東大震災に襲われ、特に下町が大打撃を受けた。この影響で、1928年(昭和3年)から1932年(昭和7年)の近隣町村編入までの間、面積が半分程度の大阪市に、人口規模で抜かれることになった(→ 都道府県庁所在地と政令指定都市の人口順位)。
1932年(昭和7年)10月1日、近隣の5郡82町村(荏原郡・豊多摩郡・北豊島郡・南足立郡・南葛飾郡の各全域)を編入して、新たに20区を置き東京35区となった。1936年(昭和11年)10月1日、北多摩郡砧村・千歳村を世田谷区に編入し、現在の東京都区部の範囲が確定した。
第二次世界大戦中の1943年(昭和18年)7月1日に、内務省主導で東京都制が施行され、地方自治体としての東京市と東京府は廃止され、東京都が設置された。それまでの東京市役所の機能は、以後は東京都庁に移された。旧東京市35区は従来通り、議会(区会)を持つ自治体としての性格を保ちながらも、東京都の直轄下の区とされ、従来東京市の吏員が任命されていた区長には官吏が任命されることとなり、東京都長官の指揮監督を通じて内務省による統制が強化された。
35区は1947年(昭和22年)3月15日に東京22区に再編され、同年5月3日の地方自治法施行により同法の定める特別区となった。同年8月1日、旧練馬町ほか4村の区域が板橋区から分離して練馬区となって東京23区となり、現在に至っている。
歴代の東京市長については東京都知事一覧を参照
| 1889年~ | 1920年~ | 1932年~ | 1936年~ | 1947年~ | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 麹町区 | 千代田区 | |||||
| 神田区 | ||||||
| 日本橋区 | 中央区 | |||||
| 京橋区 | ||||||
| 芝区 | 港区 | |||||
| 麻布区 | ||||||
| 赤坂区 | ||||||
| 四谷区 | 四谷区 | 新宿区 | ||||
| 豊多摩郡内藤新宿町 | ||||||
| 牛込区 | ||||||
| 豊多摩郡淀橋町 | 淀橋区 | |||||
| 豊多摩郡大久保町 | ||||||
| 豊多摩郡戸塚町 | ||||||
| 豊多摩郡落合町 | ||||||
| 小石川区 | 文京区 | |||||
| 本郷区 | ||||||
| 下谷区 | 台東区 | |||||
| 浅草区 | ||||||
| 本所区 | 墨田区 | |||||
| 南葛飾郡寺島町 | 向島区 | |||||
| 南葛飾郡吾嬬町 | ||||||
| 南葛飾郡隅田町 | ||||||
| 深川区 | 江東区 | |||||
| 南葛飾郡亀戸町 | 城東区 | |||||
| 南葛飾郡大島町 | ||||||
| 南葛飾郡砂町 | ||||||
| 荏原郡品川町 | 品川区 | 品川区 | ||||
| 荏原郡大井町 | ||||||
| 荏原郡大崎町 | ||||||
| 荏原郡荏原町 | 荏原区 | |||||
| 荏原郡目黒町 | 目黒区 | |||||
| 荏原郡碑衾町 | ||||||
| 荏原郡大森町 | 大森区 | 大田区 | ||||
| 荏原郡入新井町 | ||||||
| 荏原郡馬込町 | ||||||
| 荏原郡池上町 | ||||||
| 荏原郡東調布町 | ||||||
| 荏原郡蒲田町 | 蒲田区 | |||||
| 荏原郡矢口町 | ||||||
| 荏原郡六郷町 | ||||||
| 荏原郡羽田町 | ||||||
| 荏原郡世田ヶ谷町 | 世田谷区 | 世田谷区 | ||||
| 荏原郡駒沢町 | ||||||
| 荏原郡松沢村 | ||||||
| 荏原郡玉川村 | ||||||
| 北多摩郡砧村 | ||||||
| 北多摩郡千歳村 | ||||||
| 豊多摩郡渋谷町 | 渋谷区 | |||||
| 豊多摩郡千駄ヶ谷町 | ||||||
| 豊多摩郡代々幡町 | ||||||
| 豊多摩郡中野町 | 中野区 | |||||
| 豊多摩郡野方町 | ||||||
| 豊多摩郡杉並町 | 杉並区 | |||||
| 豊多摩郡和田堀町 | ||||||
| 豊多摩郡井荻町 | ||||||
| 豊多摩郡高井戸町 | ||||||
| 北豊島郡巣鴨町 | 豊島区 | |||||
| 北豊島郡西巣鴨町 | ||||||
| 北豊島郡長崎町 | ||||||
| 北豊島郡高田町 | ||||||
| 北豊島郡滝野川町 | 滝野川区 | 北区 | ||||
| 北豊島郡王子町 | 王子区 | |||||
| 北豊島郡岩淵町 | ||||||
| 北豊島郡南千住町 | 荒川区 | |||||
| 北豊島郡三河島町 | ||||||
| 北豊島郡日暮里町 | ||||||
| 北豊島郡尾久町 | ||||||
| 北豊島郡板橋町 | 板橋区 | 板橋区 | ||||
| 北豊島郡上板橋村 | ||||||
| 北豊島郡志村 | ||||||
| 北豊島郡赤塚村 | ||||||
| 北豊島郡練馬町 | 練馬区 | |||||
| 北豊島郡上練馬村 | ||||||
| 北豊島郡中新井村 | ||||||
| 北豊島郡石神井村 | ||||||
| 北豊島郡大泉村 | ||||||
| 南足立郡千住町 | 足立区 | |||||
| 南足立郡梅島町 | ||||||
| 南足立郡西新井町 | ||||||
| 南足立郡江北村 | ||||||
| 南足立郡舎人村 | ||||||
| 南足立郡伊興村 | ||||||
| 南足立郡淵江村 | ||||||
| 南足立郡東淵江村 | ||||||
| 南足立郡花畑村 | ||||||
| 南足立郡綾瀬村 | ||||||
| 南葛飾郡本田町 | 葛飾区 | |||||
| 南葛飾郡奥戸町 | ||||||
| 南葛飾郡南綾瀬町 | ||||||
| 南葛飾郡亀青村 | ||||||
| 南葛飾郡新宿町 | ||||||
| 南葛飾郡金町 | ||||||
| 南葛飾郡水元村 | ||||||
| 南葛飾郡小松川町 | 江戸川区 | |||||
| 南葛飾郡松江村 | ||||||
| 南葛飾郡瑞江村 | ||||||
| 南葛飾郡葛西村 | ||||||
| 南葛飾郡鹿本村 | ||||||
| 南葛飾郡篠崎村 | ||||||
| 南葛飾郡小岩町 | ||||||
東京市は小学校と旧制中学校、高等女学校を設置していた。ナンバースクールの場合、府立は名称が「東京府立第○中学校(高等女学校)」だったのに対して市立の場合は「第○東京市立中学校(高等女学校)」だった。都制施行の際、東京市立の学校はすべて東京都に移管された。1948年に小学校は特別区に再び移管された。
東京都章[1]及び東京都旗は旧東京市章を継承した物である。但し、現在では1989年に制定されたTの字を図案化したシンボルマークの方がよく使われる。
「都民の日」に当たる10月1日は、一般市制による東京市発足の日に因んでいる。
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