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日本の地方議会(にほんのちほうぎかい)は、日本の地方公共団体に置かれる議会を指す。
目次 |
日本国憲法第93条では、普通地方公共団体には、その住民に直接公選された議員をもって組織する議会を議事機関として置くことが要求されている。ただし、町村では条例で議会を置かず、これに代えて選挙権者の総会である町村総会を設けることができる(第94条及び第95条)。
地方公共団体の議会の議員の定数は、条例で定めることとされている。その定数は、地方自治法に定められた上限数を超えない範囲内で定めなければならない。(第90条及び第91条)
平成11年の地方自治法の一部改正前までは、地方自治法が議員の定数を法定していたが、地方公共団体の自己決定権を高める見地から、同年改正で、現行の条例定数制度が採用された。
後記の組合団体を除けば、国政選挙同様に日本国籍を有し20歳以上で選挙区において住民登録を行った後3ヶ月以上経過する住民を有権者とする直接選挙により選ばれる。原則として単記非移譲式の大選挙区制(複数の定数の選挙区で投票者は一人の候補に対して投票し、単純に得票の多い候補から順に当選する)だが、定数1の選挙区も存在する。都道府県議会の場合は市・郡を基本単位とする複数の選挙区から選出する。市町村および東京都特別区は単一選挙区とする場合と複数の選挙区を分ける場合と二通りある。地方議会および首長の任期は日本全国で同一の周期であるものが多いため、これらの選挙を全国で同一時期に実施する統一地方選挙が国政における政局に対しても大きな影響を与えている。
一部事務組合や広域連合等の、地方公共団体の組合としての特別地方公共団体の議会の議員は、構成地方公共団体の議員から、互選で選出されるかもしくはそのまま組合団体の議会議員を兼ねる。
普通地方公共団体の議会の議員の任期は4年である(第93条第1項)。地方公共団体の議会の議員の任期は一般選挙の日から起算する(公職選挙法第258条本文)。ただし、任期満了による一般選挙が地方公共団体の議会の議員の任期満了の日前に行われた場合において、前任の議員が任期満了の日まで在任したときは前任者の任期満了の日の翌日から、選挙の期日後に前任の議員がすべてなくなつたときは議員がすべてなくなつた日の翌日からそれぞれ起算する(公職選挙法第258条但書)。地方公共団体の議会の議員の補欠議員についてはその前任者の残任期間在任する(公職選挙法260条第1項)。また、地方公共団体の議会の議員の定数に異動を生じたためあらたに選挙された議員は一般選挙により選挙された議員の任期満了の日まで在任する(公職選挙法260条第2項)。
なお、議会の解散や議員の解職請求により4年の期間満了前に議員の地位を失うことがある。
憲法においては、わが国の地方自治制度として首長制(地方公共団体の長を住民の公選により議会の議員とは別に選ぶ制度)を採用している。普通地方公共団体の長と議会とはともに住民を代表する機関として対等であり、互いに自己の権限を行使し、牽制しあうことで円滑に地方自治が運営されていくことが期待されている。もっとも、普通地方公共団体の長は当該団体の統轄代表権(第147条)をはじめ、予算の調製・提案・執行権等を握るなど、現実面において強力な権限を有している。そのため、長と比べ、地方議会の存在感は薄くなりがちであり(例えば、住民の間でも普通地方公共団体の長の名前は言えても議長の名前は言えない者が多いとの指摘がある等)、このような状況下において、近年のように、議員の高額な議員報酬、物見遊山的な議員派遣による海外視察、政務調査費の不適切な使途等が問題となると、地方議会は不要ではないかなどといった極論もみられるようになった。
もっとも、将来、地方分権の進展に伴い、地方公共団体の自主立法権も拡大することとなるから、条例制定等の立法機能の強化が必要となってきている。また、長の強大な権能を適切に監視する必要も高まっている。このように、地方分権の実現には、地方議会が適切にその権能を行使していくことが必要不可欠である。
普通地方公共団体の議会は、下記の事件を議決しなければならない(第96条)。議決事件は地方自治法に具体的に列挙されており、普通地方公共団体の長の権限が概括列挙され(第149条)、広く権限の推定が及ぶとされているのとは異なっている。そのため、議会の議決事件について制限列挙主義を採用しているとされている。もっとも、議決事件は条例で任意に追加できることからすれば、必ずしも議決事件が地方自治法に列挙されているものだけに制限されているわけではない。
普通地方公共団体の議会は、法律又はこれに基く政令によりその権限に属する選挙を行わなければならない (第97条第1項)。議長及び副議長の選挙(第103条第1項)や、選挙管理委員会の委員の選挙(第182条第1項)などがこれに当たる。
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁[1]に提出することができる(第99条)。
なお、当該意見書は地方公共団体の機関たる議会の意思を決定・表明するものであり、地方公共団体の団体意思を決定・表明するものではない。したがって、当該意見書の発案権は議員のみが有しており、地方公共団体の長等はこれを有さない。
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる(第100条)。調査権の行使をゆだねられた委員会は、地方自治法の条項から百条委員会とも呼ばれる。
国会の国政調査権を参考として、戦後改革の際に設けられた権限である。ただし、国会の国政調査権は議院のみならず委員会も行使できるとされているが、地方議会の調査権はあくまで議会の議決により行使され、委員会に調査権の行使をゆだねる際にもその旨の議会の議決が必要である。
普通地方公共団体の議会に請願しようとする者は、議員の紹介により請願書を提出しなければならない(第124条)。なお、議員の紹介がないものを陳情という。
普通地方公共団体の議会は、その採択した請願で当該普通地方公共団体の執行機関において措置することが適当と認めるものは、これらの者にこれを送付し、かつ、その請願の処理の経過及び結果の報告を請求することができる(第125条)。
執行機関は請願を誠実に処理しなければならない(請願法第5条)とされるが、請願により法的に拘束されるわけではない。
地方議会は定例会と臨時会に分かれており、会期制度を採用している。すなわち、議会は会期中に限り活動する(例外は、委員会の閉会中審査)。
議会の活動は、長が議会を招集することにより開始することとなるが、いったん議会が招集されたならば、その会期の設定及び延長並びに議会の開閉は議会が定めることとされている(第101条~第102条)。
委員会は、議会で審議される案件に、専門的知識や経験を生かし事前審査を行うための審議機関である。
議会の自主的な活動を推進するために、条例で常任委員会(第109条)・議会運営委員会(第109条の2)・特別委員会(第110条)を設置することができる。
各委員会は、議会の議決すべき事件のうちその部門に属する当該普通地方公共団体の事務に関するものにつき、議会に議案を提出することができる。ただし、予算については、この限りでない(109条、109条の2、110条)。
住民からの直接請求(リコール)によって議会の解散・議員の解職を求めることができる(第13条、第76条~第80条)。
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日本以外の地方議会制度を見ると、議員活動は殆どがボランティア制度の一環であり、議会等の出席に際しては日当と交通費の支給程度で運営されている。議員報酬や政務調査費等で優遇される日本の議会制度は行政コストを押し上げ、過激な選挙活動や汚職の根源となる側面がある。
地方公務員共済組合法第11章には、地方議会の議員が対象となる議員年金が定められている。近年、市議会議員年金・町村議会議員年金の運営が破綻寸前であるとして、公費のさらなる投入や廃止も含め、その制度の見直しが議論されている。
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