ハッピーフライト
『ハッピーフライト』は、2008年11月15日に公開された日本映画。監督は矢口史靖。
ストーリー
副操縦士の鈴木和博は機長への昇格訓練を受けており、今回のホノルル行きのフライトが昇格の分かれ目だった。教官が温厚な望月で安堵したのも束の間、望月が風邪をひき、代わりに厳格な原田が鈴木の教官を務めることに。
一方今回のホノルル行きが国際線デビューとなるCA・斉藤悦子。だがその便には厳しいことで知られるチーフパーサー・山崎麗子も乗務していた。そしてグランドスタッフの木村菜採もまた仕事に限界を感じ辞めようかと考えていた。
ホノルル行きの便は離陸前の多様なトラブルがありながらも出発。機内では鈴木が原田の指導に戦々恐々とし、悦子は次々と繰り出される乗客の指示に右往左往。そんな中、彼らの乗る飛行機に非常事態が発生する。
キャスト
- パイロット
- 副操縦士(コーパイロット)。OJTの最中で機長昇進試験の最中にある。ピンチに出くわすと、感情的になる。客室乗務員からは笑いのネタにされるほどのおっちょこちょいで麗子からは「小心者」と思われている。
- 機長(キャプテン)。厳格な姿勢で威圧感を与える。仕事が始まると頭は「飛行機を安全に運航させる」ことと「副操縦士の教育」に一貫している。
- 機長・キャプテン。温厚な性格でどんな副操縦士でも機長昇格の合格通知を出す寛容さ。鈴木の教官を務める予定だったが風邪をひいて原田に代わってもらった。
- CA(キャビンアテンダント)
- ホノルル行きの便が国際線デビューとなる新人CA。その初フライトの搭乗前ブリーフィングで遅刻して更に機内では大失態をしてしまい、…。食いしん坊でおっちょこちょい。しかし、料理は得意でそれが初フライトで挽回のチャンスとなる。
- チーフパーサー。彼女との乗務の場合は泣かされすぎるために水が必要になると噂される程の厳しさで知られる。客室乗務員の中では名前更に同乗と聞いただけで恐れられる「鬼チーフ」。悦子は初の国際線フライトで当たる。コンパートメントは離れていても悦子の仕事ぶりもしっかり監視しておりフォローもするが、悦子の大失態に対して言動そして待遇共に厳しい対応をする。しかし、仕事のこなしぶりは他の客室乗務員のお手本となるほど一流で彼女のサービス姿を見て後輩は…。
- 悦子のインストラクター。中堅の客室乗務員。サービスはそれなりにこなせるが、不条理な態度をする客に対してはまだ未熟さがある。
- エコノミー・パーサー。
- ファースト・パーサー。ファーストクラス用ミールのデザートであるチョコレートケーキ作りに失敗して…。
- 阿部靖子(UR) - 野沢和香
- 片桐友加(UR')- 海老瀬はな
- 安田明美(L2) - 巽よしこ
- ビジネス・パーサー。
- 悦子の同期。グアム便のCA。
- グランドスタッフ
- 臨機応変に仕事をこなすが、出会いも少ない仕事に限界を感じ辞めたいと思っている。
- 菜採の後輩。お気楽でおっとりした性格。
- グランドマネージャー。菜採の鬼上司。菜採の辞職願も受け入れない気持ちでいる。
- オペレーションコントロールセンター(OCC)
- オペレーション・ディレクター。コンピュータの扱いにはついていけないが、緊急時になったときの仕事の腕はピカ一。
- ディスパッチャー・カンパニー無線担当。
- ディスパッチャー・気象担当。
- 整備士
- ライン整備士。
- ドック整備士。
- 管制官
- コントロールタワーの管制官。
- レーダー室の管制官。いつも私服に身を包んでおり公務員の自覚がないと苦言を言われている。
- レーダー室の管制官。職業柄、最近何でも整理しないと気がすまないというほどに神経質になっている。
- コントロールタワーの管制官。
- 乗客
- カツラを被っている男性。乗り物酔いしやすい体質。
- ビジネスマン。一見すると温厚そうだが、実際はかなりの短気。
- 新婚の夫婦。飛行機搭乗直前に妻が飛行機墜落を怖れてトイレに立てこもってしまう。
- 菜採と共にゲートを走っていた乗客。
- その他
- バードパトロール。バードストライク(飛行機と鳥の衝突事故)を防ぐため、鳥に空砲での威嚇射撃を行う仕事をしている。
- 悦子の両親。国際線に乗る悦子を見送りに空港にやってくる。
- 馬場が鳥を殺していると思い込み雑誌記者と偽り、取材の名目で馬場の仕事現場に潜入する。結果的に馬場の仕事の妨害をするのだが、これが原因で悦子たちの乗っているホノルル便のフライトも妨害することになる。
- スポッターグループ三人組のリーダー。舞台となる飛行機にある重大な問題が起きていた事を発見し、グランドスタッフの木村に伝える。
スタッフ
- VFX-特撮研究所
- VFXスーパーバイザー - 野口光一
- VFXプロダクションマネージャー - 横尾裕次
- 撮影 - 中根伸治 鈴木啓造 岡本純平
- 照明 - 安藤和也 関沢陽介
- 美術 - 三池敏夫 松浦芳 梶政幸
- 操演 - 中山亨 辻川明宏 和田宏之
- 製作担当 - 高橋政千 小串遼太郎
- ジャンボミニチュア製作 - 倉橋政幸 桑島健一 上村邦賢 山田哲也 高橋洋史 亀田義郎
- CGディレクター - 中村充彦
イベント
制作チームは作品にあった様々な宣伝展開を行うのが得意。過去には「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」などでも通常の映画宣伝の枠に捕らわれない活動を行った。
- 制作発表は、羽田空港にある全日空の格納庫で行われ、「Happy Flight」のロゴ入りボーイング747-400[1]でキャストが登場した。キャストはこの機体にサインを残した。
- 完成披露試写会は、行わなかった。
- 宣伝キャンペーンは、全国25都市、25空港を巡った。
- 2008年10月26日に、シアトル、ボーイング社[2]でアメリカ・プレミア上映が行われ、300人の航空関係者が来場。ボーイング747を開発したジョセフ・F・サター氏から絶賛された。
- 2008年11月7日に、世界初の試みとなる機上試写を実施。羽田空港発、関西空港行きの特別便機内で映画を上映した。
- 2008年11月26日に、矢口監督による上映後ティーチ・インが品川プリンス・シネマで行われた。
- 2008年11月27日に、興収7億突破『ハッピーフライト』大ヒットイベントが、日劇で行われ、客室乗務員(CA)を演じた女優8人が、全日空CAの歴代制服に身を包み舞台挨拶を行った。
- 2008年12月3日には、ニューヨーク・プレミアが開催される。
トリビア
- 企画当初、監督は航空パニック映画を考えていたが、その後、2年のリサーチの結果、飛行機が墜落する可能性が非常に低いことと、同時に航空業界の裏で働く人々の面白さを知り、脚本の内容を変更した。結果的に、旅客機が機体異常で引き返し無事緊急着陸するだけという非常に地味な物語を面白く見せる職人芸が問われる仕事となった。リサーチは多岐にわたり、シアトルにあるボーイング社なども訪れた。鳥被害の深刻さ、多くがカジュアルな私服で仕事をこなす管制官たち、取捨選択と妥協が要求される整備、機長の権限と責任の大きさ、原則として中年期まで昇進できないため若いCAにも見下される副操縦士の悲哀など、業界外の観客に興味深い内幕が巧妙に織り込まれている。
- キャストは、全員オーディションで決まった。[3]これは矢口監督の拘りで、先にキャストが決まっていたり、名ばかりのオーディションを行う他の邦画とは異なる。[4][5]
- 映画の登場人物には、モデルがいる。[6]
- 航空機は、ANA所有のボーイング747-400(機体番号:JA8096)[7]が使用されたが、これは当時、実際に同社の国際線で使用されていたものである。国内航空業界史上初として、収録目的で15日間無料でレンタルされた。
- 監督は、JA8096の事を「彼女」と呼んでいる。
- ANAは、社内に映画の特別チームを編成し、作品企画時から多岐にわたり全面協力している。脚本の直し、撮影時の協力、衣装の貸与、ロゴマークの使用などのほか、撮影現場の立ち会い、社員によるエキストラ参加などにまで及ぶ。
- 撮影は、東京国際空港第2ターミナル、関西国際空港、また全日空機体整備工場等で大規模ロケが敢行された。これは日本映画史上初の試み。
- 11月8日に綾瀬はるかと田辺誠一が毎日放送系「知っとこ!」にゲスト出演(綾瀬は映画の衣装を着て航空業界のクイズ企画にのみ出演。田辺は全編出演)。最近、テレビ局が制作に絡んでいる映画が他系列局でも宣伝を行うことは珍しくないが、本作の場合、フジテレビ系列局でかつ阪急阪神東宝グループの一員でもある関西テレビ制作の裏番組「にじいろジーン」で宣伝を行うのが本来なら筋である。東宝側が視聴率の高い「知っとこ!」を選んだのか、MBSが関テレより先にオファーした(もしくは関テレがオファーしなかった)のか、理由は不明。
- 今までの矢口映画同様、本作でも5本のサイドストーリーが制作された。
- 映画公開に合わせ、FLY! FLY! FLY![8]、ハッピーエアポート[9]など多数の航空関連番組が制作されている。
- ローソンとのタイアップで、ANA歴代CAフィギュアのボトルキャップ・キャンペーンが展開された。
- ローソンとのタイアップで、空弁、空スイーツ・フェアが開催され、ローソン各店の弁当売り上げが伸びた。
- 全日空は、撮影協力以外に、空港での宣伝活動、公開時にはCM出稿も行った。
- 映画公開を記念して国内線機はボーイング747-400D(JA8963:元マリンジャンボ)に、国際線機には747-400(JA8097)にステッカーが貼り付けられている。またそれぞれ監督と出演者の直筆サイン入りの記念プレートが機内に設置されている[10]。
- 望月役で出演している小日向文世は、同じフジテレビで2006年に放送された『アテンションプリーズ』でも日本航空の機長、そして教官役で出演していた。
サイドストーリー
- 「アイハブ・ユーハブ」 監督:矢口史靖 出演:田辺誠一
- 「What's your name ?」 監督:山口晃二 出演:綾瀬はるか
- 「パイナップル」 監督:石井普一 出演:菅原大吉
- 「細野が恋をした場合」 監督:山本大輔 出演:佐伯新
- 「歯医者発、しあわせ便」 監督:松岡良樹 出演:平岩紙
DVD
2009年5月22日発売
- ハッピーフライト ビジネスクラス・エディション[DVD]
- ハッピーフライト ビジネスクラス・エディション[DVD]
- ハッピーフライト ファーストクラス・エディション [Blu-ray]
※Blu-ray版は、邦画で初の特典DISCも“Blu-ray Disc”で収録。
書籍
- 「ハッピーフライト オフィシャルガイド」 日経エンタテインメント
- 「ANAで知る!「ハッピーフライト」の世界」 イカロス出版
- 「CA STORY in ハッピーフライト」 キネマ旬報社
- 「ハッピーフライト」 ノベライズ メディアファクトリー
- 「ハッピーフライト 創作ノート」 キネマ旬報社
- 「世界へハッピーフライト FLY!FLY!FLY!日記」 角川文芸出版
- 「That’s STAR ALLIANCE スター アライアンス 公式ガイドブック」 角川文芸出版
音楽
- 「シナトラ、ザ・ベスト! ハッピーフライト・パッケージ [Limited Edition]」 Warner Music Japan
- 「ハッピーフライト [Soundtrack]」 Warner Music Japan
関連項目
注釈
- ^ このロゴ入りの機体は2機(トリビア14項目参照)あり、映画公開後まで実際に運航された。
- ^ ボーイング・フィールド内にあるミュージアム・オブ・フライト
- ^ 2008年12月28日にシャンテシネにて行われた矢口監督と綾瀬はるかの舞台挨拶で詳細が説明された。
- ^ 「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」も全てオーディションでキャスティングしている
- ^ 今回はキャラクターが大人だったため、新人と言うよりはある程度名前のある俳優が結果として残った。
- ^ お台場映画王での監督舞台挨拶で監督自身が解説した。
- ^ なお、この機体はANAのB747では、最後の「全日空-All Nippon Airways」塗装(旧塗装)であった。2009年3月にANAの営業路線から退役した。
- ^ 2008年9月〜12月までANA国際線で上映された。
- ^ iTunesなどで再生可能なポッドキャスティングで配信された。
- ^ JA8963についてはかつて「マリンジャンボ」の記念プレートが取り付けられていた部分に設置されている。
外部リンク
性
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